まずは薄毛の原因を知るところから始めよう!

頭部 髪の毛は、頭部を守るために生えている体毛で、1か月に約1センチメートルのペースで成長します。
これは、毛根内部の毛母細胞が分裂することによるもので、男性であれば3年~5年、女性の場合は4年~6年間継続します。
その後、毛母細胞の分裂するペースは低下し、やがて完全に停止してしまいます。
このような毛母細胞の活動の状態に合わせてそれぞれに対して、成長期・退行期・休止期と名付けられています。 毛母細胞が健康的な状態をキープしていれば、休止期で完全に停止したとしても数か月後には再び活動は再開されます。
これにより、新しく作り出された髪の毛に押し上げられるような形で、古いものは抜け落ちてしまうことになります。

薄毛の基本はヘアサイクルの異常が原因

一方、新しく作り出された髪の毛は前のものと同様に、数年間成長を続けるようになります。
このように、成長期、退行期、休止期の順番に繰り返すことはヘアサイクル、又は毛周期と呼ばれており、これが正常に移行している限り髪の毛が少なくなることはありません。
逆に、このヘアサイクルに狂いが生じることによって発症するのが、薄毛と呼ばれる状態です。
その代表的なのが、男性の薄毛の大部分を占めているAGAという症状です。

AGAとは?薄毛の原因はAGA?

このAGAは、男性ホルモン型脱毛症という意味の英語「Androgenetic Alopecia」を略した言葉で、DHTという物資が原因です。
日本人男性の約30パーセントに見られる症状で、生え際から頭頂部にかけての頭髪が軟毛化するのが特徴です。
ちなみに、生え際が後退するのはI型、センター部分を残して剃り込みを入れたようにハゲるのがM型、頭頂部にお皿が載ったような状態になるのはO型と呼ばれています。 AGAにより限られた範囲が薄毛になるのは、DHTの生産に関与している還元酵素が生え際から頭頂部にかけての毛根内部に存在しているからです。
この還元酵素は男性ホルモンのテストステロンを変換し、DHTという物質を作り出します。

このDHTが、生え際から頭頂部にかけての毛根内部の毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体と結合することにより、Transforming growth factorという脱毛因子が誘導されます。
脱毛因子は、ヘアサイクルにおける成長期の状態にある髪の毛を退行期や休止期に移行させるので、寿命が著しく短くなってしまいます。
これにより、太く長く成長することが出来なくなるので、短い毛や細い毛が占める割合が多くなり短毛化という状態が進行することになります。

遺伝子がAGAの原因である場合もある

ちなみに、この症状はX染色体上にある男性ホルモンレセプター遺伝子の多型が決め手となると考えられており、母方の祖父が薄毛の場合は受け継ぐ可能性が高くなります。
日本人男性全体での発症頻度は約30パーセントで、テストステロンの分泌量が増加する思春期以降に徐々に進行するようになります。
具体的には、20歳代は10パーセント、30歳代は20パーセント、40歳代は30パーセント、50歳以降は40数パーセントです。

AGA以外の薄毛の原因

なお、AGA以外にも栄養不足やストレス、血行不良、ホルモンバランスの乱れにより薄毛になる場合もあります。
特に、近年増加している女性の薄毛は原因は非常に多様と考えられており、完全に特定するのは難しいと言われています。
ただし、改善するためにはまずは原因を把握することが必要です。

フィナステリドという成分が効果的!?

薄毛に悩む人 「病院に相談だ」、「その薄毛お医者さんで治せます」などのテレビコマーシャルでも盛んにアピールされているように、現在では医療機関での薄毛治療が行われています。
これは、2005年にAGA治療薬が厚生労働省から承認されたことがきっかけで本格的にスタートしたもので、既に10年以上の期間が経過しています。
このために、薄毛が治ったという報告も多数寄せられています。

2005年に厚生労働省から承認されたAGA治療薬の商品名はプロペシアといいます。
フィナステリドという成分を配合しています。
このフィナステリドは抗アンドロゲン薬で、当初は前立腺肥大の治療薬として認可されたものです。
作用機序は、II型5α-reductaseの活性を阻害するというもので、悪玉男性ホルモンのDHTの生産を抑制することを目的としています。

フィナステリドは5mg錠のProscarという商品名で販売されていたのですが、身体への負担を軽くするために1mg錠での研究が進められることになります。
すると、研究の途中でAGAに対しての効果が判明したために、こちらを適応として1997年にFDAに認可されます。
これが、飲む育毛剤と呼ばれているプロペシアが誕生した経緯です。

フィナステリドの作用について

このフィナステリドの1mg錠プロペシアは厚生労働省から承認される際に、1年間かけて臨床試験が実施されています。
これは、20歳以上の男性を対象にしたもので、1日にフィナステリドを1mg投与するという内容です。
これにより、被験者の58パーセントに軽度改善以上、98パーセントに不変以上の効果が確認されています。
なお、これに引き続いて行われた非ランダム化比較試験では、2年間で軽度改善以上は68パーセント、3年間で78パーセントと増加しています。
つまり、フィナステリドは急激に作用するのではなく、時間をかけて薄毛を改善するということになります。
これは、毛根や髪の毛に直接的に作用するのではなく、DHTの生産を抑制することでヘアサイクルを正常化するというフィナステリドの薄毛へのアプローチが関係しています。
短期的に結果を望んでいる人にとっては少々じれったく感じるかもしれません。

医学的に高く評価されているフィナステリド

しかし、現在のAGA対策のスタンダードとして用いられている方法で、医学的にも高く評価されています
たとえば、国内で最大の皮膚科学の社団法人である日本皮膚科学会が2010年に作成した男性型脱毛症診療ガイドラインでは、フィナステリドは最高のAランクに分類されています。
内服療法の第一選択薬として強く推奨できると評価されています。

フィナステリドの服用方法

フィナステリドは食前や食後などは決められておらず、1日に1錠水かお湯で服用するだけという簡単な方法です。
ちなみに、服用開始直後に抜け毛が増加するという現象に見舞われることがありますが、これは狂わされていたヘアサイクルが正常な状態に回復する際に起こる一時的な現象です。
具体的に言うと、退行期や休止期にとどまっていた髪の毛が成長期に移行するからで、元々抜けることが決まっていたものなので全く心配はありません。
このために、抜け毛に驚いて止めてしまってはフィナステリドの効果を十分に得られないので、我慢して続けるのが適当です。

ミノキシジルという成分のほうが効果的!?

薄毛を気にする男性 AGA治療薬のフィナステリドは、内服薬ということから飲む育毛剤と呼ばれていますが、ダイレクトな抜け毛予防や発毛を促進するような効果はありません。
何故なら、元々は前立腺肥大の治療薬として開発されていたもので、II型5α-reductaseの活性を阻害するということを直接的な目的としていました。
一般的な商品のように血行改善や頭皮環境の正常化などの効果はないのです。

このために、フィナステリドはAGA以外の薄毛に対しては改善効果を期待することは出来ません。
また、AGAであっても発症してから時間が経過してしまった場合は服用しても変化がみられないというケースも起こり得ます。
何故なら、AGAは最終的には毛根が機能を喪失してしまうからです。

これは、AGAの原因物質DHTの皮脂の分泌量を過剰化するという作用により、毛根が塞がれてしまうためと考えられています。
発症してから毛根が機能を失うまでにかかる期間は個人差がありますが、一応の目安として5年~10年と言われています。
このために、中年以降にフィナステリドの服用を開始したような場合は、抜毛を防止するという効果は得られますが、薄毛を改善するという点では納得できるレベルにまで至らないというケースが少なくはありません。
これは、臨床試験で不変以上の効果が98パーセントに見られたのに対して、軽度改善以上という何らかの効果を体感した割合は3年間服用しても78パーセントにとどまっていることからも明らかです。

ミノキシジルがオススメ

このようにフィナステリドを服用しても改善効果が得られない場合は、ミノキシジルという成分を配合した外用薬を使用するという方法が有効です。
この成分、1960年代にアメリカの製薬メーカーにより、血管拡張薬として開発されたものです。
その後、脱毛症を改善する効果が判明したので、1980年代に外用薬として新たに販売されることになります。
その後、世界中で使用されるようになり、現在では90ヶ国以上にまで広がっています。

普及はされているもののミノキシジルがどのようにして薄毛を改善するのかについては、現在でも完全には解明されていません。
何故なら、この成分以外の血管拡張薬には育毛効果が確認されていないからです。
このために、単純に血行を改善したことによるものではなく、毛根の根幹組織に対して何らかの作用を発揮していると推測されます。

ちなみに、ミノキシジルは血管拡張薬としては服用タイプで提供されていたのですが、薄毛の治療薬として提供されているものは全て外用タイプです。
これは、薄毛部位の血行をピンポイントで促進できるということと共に、内服タイプを商品化する際にアクシデントが発生したためと言われています。

ミノキシジルも医学的に高い評価がある

いずれにせよ、ミノキシジルはフィナステリドと共に男性型脱毛症診療ガイドラインでは最高ランクのAに指定されており、外用治療における第一選択薬として強く推奨できると評価されています。
特に、頭頂部の薄毛に対して効果的で、O字ハゲと呼ばれているタイプにはオススメです。
これは、つむじ部分は血行不良になりやすいので、ミノキシジルの血行促進効果がダイレクトに発揮されるためです。

ただし、この成分はフィナステリドのように特定の脱毛症のみを対象としたものではないので、O字ハゲ以外に対しても効果を期待できます。
このために、ミノキシジルを配合した外用薬は、女性の薄毛を対象としたものも商品として提供されています。
男女の違いは、ミノキシジルの濃度で、男性用のものは5パーセント、女性用は1パーセントです。

自分の頭皮の状態にあった医薬品で薄毛対策しましょう

現在の薄毛治療の主流として使用されているフィナステリドとミノキシジルは、作用機序に違いがあるので、併用することも可能です。
これにより、抜け毛対策と発毛促進の両方を実現できるので、顕著な効果を期待できることになります。
このために、薄毛の進行が進んでいるような場合は、両方の成分を併用するという対策が効果的です。

初期段階での併用はオススメできない

一方、少し抜け毛が気になるというような段階では、ミノキシジルとフィナステリドの両方の成分を併用するという対策はあまりオススメできません。
何故なら、状況に合わせた対策が有効であり、初期の段階からマックスの方法を用いるのは適当ではないからです。

特に、ミノキシジルの場合は外用薬ということで、頭皮に負担をかけてしまいます。
このために、すぐにかぶれてしまう敏感なタイプの場合は、頭皮のかゆみなどの異常が生じて使えなくなるというケースも起こり得ます。
まずは、服用タイプで様子を見るのが賢明な対策と言えます。
初期のAGAであれば、服用タイプのみでかなりの段階まで改善することが可能です。

ミノキシジルのみ有効な場合がある

ただし、該当する部分が後頭部や側頭部の場合は、フィナステリドによる対策は適当ではありません。
何故なら、この部分はDHTによる影響を受けにくいので、AGAではない可能性が大だからです。
この場合には、ミノキシジルのみを使用するという方法が有効です。
また、側頭部や後頭部は頭頂部と比較すると頭皮が丈夫なので、ミノキシジルを使用してもかぶれにくいという点も推奨する理由です。
このように、抜け毛や薄毛の状態など状況により適当な成分は違ってくるので、その時々に合わせてベストな対策を講じなくてはなりません。

ミノキシジルの注意点

また、抜け毛を減らすのと引き換えに健康を損なうということでは何もならないので、安全性という点にも十分な注意が必要です。
たとえば、ミノキシジルの場合は降圧剤として開発された成分ということで、血行が急激に良化するので血圧が大きく変動します。
このために、著しい低血圧や高血圧の場合は、血行が促進されるというメリットと共に、デメリットが生じるということも考えられます。
このために、低濃度のミノキシジルを選択するなどの対策を講じるのが無難です。

フィナステリドの作用を間違えないで!

一方、フィナステリドの場合は血行を促進するという作用はないので、血圧に関する問題が起こることはありません。
こちらの成分は、男性ホルモンに作用して抜け毛の原因物質の生産を防ぐので、血行を促進して抜け毛を防止するわけではないからです。

だからといってフィナステリドに何も問題がないというわけではなく、間違った方法で服用するのは抜け毛対策として有効ではありません。
1日の内でいつ服用しても構わないとされていますが、決まった時間に飲むようにするのが最も適当です。
これは、血中濃度を一定に保てるからで、常に同じ作用が発揮されるためです。

なんにせよ継続が重要

なお、ミノキシジルとフィナステリドを用いた薄毛対策の最も重要なポイントは、最低でも数か月は続けるということです。
1か月程度で効果が得られないからといって止めてしまったのでは、薄毛を改善することは出来ません。
何故なら髪の毛は、1か月に1センチメートル程度しか成長しないので、効果を体感するまでには時間がかかるからです。
継続は力なり、髪になりです